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ユニフィットの社員が、担当プロジェクトの広告実績を紹介したり、日々感じていることなどを書き綴っています。またマーケッターが市場の動向を切り裂くフリーペーパー『MAiL』や世の中の(生活者の)トレンドやニーズ、価値観を把握し、広告制作へ反映するために行っている定量調査の分析も公開しています。

2021-04-26 MAiL 特集記事

話題になった あの注目物件は今…

埼玉過去最大規模物件「シントシティ」

1つ目は埼玉県内で過去最大級の規模を誇る「シントシティ」だ(参考①)。さいたま新都心といえば2000年に新駅として開業してから商業施設や行政施設などが順次開発されている。そんな中で同マンションは「さいたま新都心」駅徒歩5分(Ⅰ・Ⅱ街区)、大型商業施設「コクーンシティ」に近接するなど利便性に富んだ立地に位置する。そんなシントシティは2019年1月に第1期1次として350戸を発売。当時の登録者は地元のさいたま市大宮区や周辺区で40%、埼玉県全体で80%という県内の購入者が目立った。その後も継続的にⅠ街区とⅡ街区を供給。2020年の年末に両街区ともほぼ完売に至っている。特に4LDK住戸の人気が高く間数志向が見られた。また2020年12月には第Ⅲ街区が販売開始し、2021年1月時点で合計980戸を供給済み。現在では全戸1.411戸中約900戸が成約に至っている。

発売から約2年で全体の約65%が埋まっており、この調子でいけば2022年の春には完売に至るペースだ。実際にさいたま新都心エリアの需要は他物件を見ても高いことがうかがえる。2020年11月に販売を開始した「ザ・パークハウスさいたま新都心(さいたま新都心W5分・109戸・@295.8万円)」は発売からわずか3カ月で完売に至っており、この需要が継続或いは高まり続ければさらに早い完売もあり得るかもしれない。

複合開発「グランアリーナレジデンス」

2つ目は商・医・育・住の複合開発プロジェクトとして進行している「グランアリーナレジデンス」だ(参考②)。物件の隣接する敷地内にスーパー、医療施設、マンション内には保育園が開園予定となっている。立地は「つきみ野」駅から徒歩12分の場所。隣接する「南町田グランベリーパーク」は2019年に駅前の大型商業施設がリニューアルオープンし、それに伴って駅名も改名されたことで話題となっている。また比較的駅遠という課題も物件から「中央林間」駅まで毎朝専用のシャトルバスが運行予定となっているため大きな問題にはなっていない。そんな「グランアリーナレジデンス」は2019年7~8月に第1期1次・2次で合計105戸を供給。当時は地元大和市在住者の来場が目立った。

その後も継続的に供給をし、2021年1月時点で330戸供給済み。進捗としては全604戸中、約250戸成約に至っている。今後まだ半分以上販売をしていかなくてはいけないが、懸念としてあがるのは同物件近くで販売されている「パークビレッジ南町田(南町田W12分・582戸・@200万円程度)」の存在だ。一部同じ事業主のため明確な競合とは言い難いものの500戸超の同物件は「グランアリーナレジデンス」よりも南町田の再開発エリアに近い点が特徴の1つであり、顧客の奪い合いになってしまうと両物件とも苦戦を強いられる可能性がある。2物件をどのように位置付けていくのかが課題となりそうだ。

選手村を転用「HARUMI FLAG」

恐らく、昨今最も話題の新築分譲マンションと言ってよいのが「HARUMI FLAG」だろう(参考③)。オリンピックの選手村として活用されたのちにマンション転用される予定の同物件は「勝どき」駅から徒歩15~20分程度の臨海エリアに立地。東京オリンピック開催予定だった時期の約1年前にあたる2019年8月に「PARK VILLAGE」「SEA VILLAGE」の供給がスタートした。第一期は合計で600戸供給し、なんと登録申込総数は約1,500組と供給の倍以上、最高では70倍以上の倍率を誇った住戸もあった。当初、購入者は中央区や江東区などの地元周辺が中心。30~40代・ファミリー世帯がともに60%を超える割合であった。人気ぶりはさらに話題を加速させ、同年12月には1期2次として合計340戸を供給。当時の時点では全940戸供給されたうち、実に約850戸が成約に至っており、供給された重工のうち90%以上が成約済みの状態だった。

しかし2020年に入り、新型コロナウィルスが世界中で感染拡大。東京オリンピックは史上初の延期に追いやられてしまい、「HARUMI FLAG」の入居時期もそれに伴って1年延期となった。これにより、契約者は1年長く現住居に住まわなくてはいけず、反発の声もあがっている。そんな「HARUMI FLAG」は現在販売を停止。2021年のオリンピックの状況がどのように左右するかなど先行きが不透明であるため当初の売れ行きは良かったものの、不安要素は大きく、発売当初ほどの話題性は生まれづらい現状だ。今後はもう1棟(SUN VILLAGE)も控えているため、引き続き業界の大きな話題となるであろう。

まとめ

今回ピックアップした3物件を見ていくと供給に対しては少なくとも75%以上が成約に至っている現状。しかし供給が半分程度控えていたり、東京オリンピックの影響を大きく受けたりなど各物件で課題はありそうだ。どの物件も長期間のプロジェクトになることは間違いないため、引き続きその動向には注目していきたい。
(※各マンションデータはマンションサマリ・工研マンスリーなど参考)

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大山恭平

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