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2020-12-25 MAiL 特集記事

〈不況に強い資産〉不動産投資の可能性

コロナ禍で高まる需要

新型コロナウィルスが感染拡大して以降、世間では「アフターコロナ」というワードをよく耳にしたが、この未来はまだ先になりそうだ。緊急事態宣言解除後も第2波・第3波と続き、コロナ禍は2年目を迎えようとしている。そんな感染拡大が長期化する中で不動産投資に注目が集まっている。その証拠に2020年6月に野村不動産アーバンネットが調査した意識調査によると「今、投資用物件は買い時だと思いますか?」という質問に関しては2019年より17.8pt上回る約80%の人が「買い時」或いは「間もなく買い時」と回答。(参考:グラフ①)さらに投資用不動産ポータルサイト健美家の調査にて「現在物件を探していますか?」という問いに約60%の人が「物件を積極的に探している」と回答し、「様子を見ている」と回答している人を上回る結果となった。

なぜ需要が高まった?

ではなぜコロナ禍で不動産投資需要が高まったのだろうか。理由は次の3つだ。

1:不況による将来への収入不安と外出機会の減少
2:不動産価格の下落を予想し、逆に買い時と感じる人の増加
3:株式投資からの流入

1つ目はコロナにより今後のライフプランに不安を感じたことが発端となり、資産形成の手段として不動産投資を考え始めた人が増加したことだ。また緊急事態宣言により家時間が増加したことで投資を学ぶ時間が増加したこともブースト要因と考えられる。2つ目はコロナ禍で資金確保のために不動産売却をする人が増加。それにより不動産価格が下落すると予想した人が動いたからだ。特に最近は都心物件の価格が高騰化しており、この機会をチャンスと捉えている投資家もいる。3つ目は株式投資を主流にしていた投資家が不動産投資に流れてきたことだ。これはコロナ禍で株価変動が読みづらくなったことに対し、不動産は不況時でも価値が安定しているという考えからである。

不動産投資は不況時に強い

では需要の高まる要因となった不動産価格の安定性は実際に結果として表れたのだろうか。グラフ③は区分マンション・一棟アパート・一棟マンションの価格推移だが、区分マンションのみ年間を通して下落傾向にあるものの全体的に2020年3~4月より大きく変動していない。
さらにグラフ④は賃貸稼働率の推移を表したものだが2020年4月から11月まで90%後半で変わらず安定して推移しており、安定性が見て取れる。この結果は政府からの住宅確保給付金の影響も大きいだろう。

今後狙い目となるエリアは?

そんな不況に強い不動産投資だが、続いて今後狙い目となるエリアに話を移していきたい。2020年の投資マンションの供給件数を見ると都内で最も供給が多いのは江東区だ。(参考:表⑤)
江東区といえば都心近接に立地し、エリアとしては豊洲・有明の臨海地区は再開発が進み、タワーマンションや商業施設が点在。一方で門前仲町や清澄白河などの深川エリアは下町感溢れ、最近では東京メトロのCMなどで注目が高まっている。そんな伝統から先進性まで含んだ江東区は以下データからも人口増加が今後も予測され、2021年度はさらに注目が集まるかもしれない。

■2020年から2040年までの人口増加予測において
 2位(東京都参考:1位は港区)
■2020年4〜6月において人口が転入超過を記録  している(東京都参考:人口増加予測で1位の港区は 23区内で最も多い転出超過)
■オリンピックの会場数No.1

不動産投資市場の展望

では今後、不動産投資市場はどのように変化していくのだろうか。新型コロナウィルスは未だ感染拡大を広げており、2020年内に収束することはなかった。この傾向が続けば安定性のある資産形成の手段として不動産投資の需要はさらに高まるかもしれない。しかし実際に新型コロナウィルスがいつまで感染拡大を続けるのか否か。さらには東京オリンピックが2021年に予定通り開催されるのか否かといった未確定要素があり、これらの影響が大きい。2021年の不動産投資市場はこの2つの要素がどのような影響をもたらすかで需要も変化しそうだ。

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