確認下付前なのに? 早期から顧客にアプローチ!
職住融合で今後需要が増す?エリア3選
職住融合の住宅選び。需要増の期待がかかるエリア3選。
2020年、住宅ポータルサイトを運営するSUUMOのトレンドワードは“職住融合”。
テレワークを前提として街選びや家選びをする人々の増加に期待がかかる。
加えて昨今、猛威を奮い続けている新型コロナウィルスの影響で
このトレンドはより一層加速するだろう。
これにより顧客の引っ越し検討範囲も広くなることが予想される。
そこで本記事では都心遠方ながら今後需要の
増加が期待されるエリアを3つ取り上げていきたい。
検討エリア拡充の範囲
新型コロナウィルスの影響でテレワークが増加し、SUUMOの2020年のトレンドワードである“職住融合”を前提にした街選び、家選びをする人が増加すると予想され、実際により良い環境を求めた住宅検討者の「検討エリア広範囲化」が顕在化しつつある。そこでまず気になるのは今後どの程度検討範囲が広がるのかということだ。これに関して現在の通勤時間とテレワーク導入/促進となった際の許容通勤時間を比較して探っていきたい。まずテレワーク未導入者の通勤時間についてだ。
上記のグラフ①は2018年にat homeが発表したアンケートの一部である。これによると自宅からの会社までの通勤時間は平均47分、ヒストグラムを見ると41~50分が最多ボリュームゾーン、次いで31~40分→51~60分という順で合計すると約60%の人が30~60分の通勤時間だ。続いてテレワークの導入者の通勤時間についてだ。
上記のグラフ②はSUUMOが発表したテレワーク導入/促進された場合の許容通勤時間についてのアンケートである。これのよるとテレワークを導入/促進された場合、半数以上の人が、通勤時間が長くなることを許容しており、中でも30~60分が最多ボリュームゾーンであった。以上2つのグラフ結果より、テレワークが導入/促進された場合、今まで通勤時間が30~60分だったものが60~90分に変化すると予想される。よって勤務地から60~90分離れたエリアが今後人気の高まるエリア候補になりそうだ。
今後人気が高まりそうなエリア3選
ではここから今後人気が高まりそうなエリアを駅別に3つ選んで紹介していきたい。選んだ基準としては大きく以下3つ。
1.既述した内容を踏まえて通勤時間に60~90分程かかるエリアであること(勤務地は東京とし、新幹線利用は除く)。
2.現時点では人気のあまりないエリアであること。具体的にはSUUMO、HOME’Sの両住みたい街ランキング2020でTOP50に入っていないこと。
3.都心近郊では叶わないライフスタイルや住環境が手に入りそうなこと。こちらについては各エリア特性、環境や立地から判断していく。
小田原(新築マンション供給:過去10年で10件、直近発売2019年4月)
地名度としては十分あるもののどちらかというと観光地という印象の強く、なかなか居住地としては見られづらいエリアだ。その証拠にSUUMOの住みたい街ランキングでは94位、神奈川県民のみに絞った、県内にて住みたい街ランキングでも32位と人気とは言い難い。しかし新築マンションは一定数供給されており、19年3月発売の「プレミスト小田原栄町(W5分・50戸・@225.7万円)」は1995年以降、過去最高単価ながらわずか4ヶ月で完売を達成している。小田原城や小田原城址公園など日本歴史の名所を普段遣いできる点は大きな特徴であり、テレワーク導入者が増加すれば居住地として人気は高まっていく可能性は大いに有り得る。
福生(新築マンション供給:過去10年間で1件、直近発売2012年10月)
「立川」駅からJR青梅線で7駅の場所に位置する。特徴として子育て環境が非常に良く日経新聞経済社などが共同で実施している「共働き 子育てしやすい街ランキング2019」では全国162自治体中5位、都下で1位を獲得している。要因としては待機児童の少なさ(2016年調べでは0人)、保育園利用率が非常に高いことが上げられる。また近くにの「福生南公園」は広大な面積に加えて利用料無料のBBQ広場があるなど、周辺環境においても子育てに向いたエリアだ。しかし認知度が乏しいためか新築マンション供給は2012年でストップ。今後より子育てに特化したエリアとして認知が広がれば、より需要は高まっていくだろう。
四方津(新築マンション供給:不明)
恐らく今回紹介する中で最も認知している人は少ないだろうエリアだ。場所は「高尾」駅から中央本線で4駅の山梨県に属する駅である。特徴として駅南側は山間部となっており、春は新緑、秋は紅葉が非常に魅力的だ。さらに駅北側は積水ハウスの宅地分譲地「コモアしおつ」があり、区画整理されたきれいな戸建て街区となっている。この「コモアしおつ」を起点に居住者が増加すれば東京に通いやすい田舎として人気を博すかもしれない。
検討範囲の広がりによる課題
以上のように、今後職住融合のトレンドが加速すれば今まで顧客の検討に入らなかったエリアが検討範囲に入り、これまで認知度の低かったエリアが徐々に人気を帯びてくるかもしれない。しかし当然ながら課題もある。顧客の検討範囲が広がる分、当然競合も多くなる上に、より遠方の居住者も集客対象となる。特に今回のコロナウィルスの一件で都心居住離脱者が増加する可能性が予想される。しかし今回ご紹介したエリアに供給された過去物件は軒並み地元購入がメイン。そのため都心居住者を中心に中広域流入を狙う場合、如何にしてエリア認知から理解、興味関心アップ、物件購入までの流れを早めていけるかが一番の課題であり、今後の販売、或いは広告戦略はより一層連動されたものになるだろう。各社今後どのエリアを選定し、売り出していくのか。販売エリアの変化により一層注目していきたい。