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ユニフィットの社員が、担当プロジェクトの広告実績を紹介したり、日々感じていることなどを書き綴っています。またマーケッターが市場の動向を切り裂くフリーペーパー『MAiL』や世の中の(生活者の)トレンドやニーズ、価値観を把握し、広告制作へ反映するために行っている定量調査の分析も公開しています。

2022-10-31 MAiL 不動産

ディスプレイ広告の効果って、実際どうなの?

不動産広告において、たびたび「必要か否か」が議論されるディスプレイ広告。
「完売」「広告終了」が最終的な目標となる不動産広告では、
同条件での有無の比較がしにくい為、なかなか効果を結論として出せず、
結果的に実施しないと判断している企業も多いだろう。
そこで、複数案件のweb広告の動向比較の中で、
ディスプレイ広告の効果と可能性について検証してみた。

ディスプレイ広告とは?

不動産広告において主流となるweb広告は下記の4種類程度が一般的だろう。※ディスプレイ広告はバナー広告を配信する手法の総称となるが、本記事においては下記で定義する。

基本的には顕在化している需要に対して配信できる手法や、エリアを細かくセグメントした上で配信する手法によってユーザーに広告接触させる。
中でも、ほとんどの物件が多くの費用を投下するのがリスティング広告であり、追加するとしてもリターゲティング広告を含めるかどうかだろう。
実際に、ディスプレイ広告を実施する案件は、予算がある程度確保できる大規模物件の、特に広告開始序盤で実施するというケースに限られており、多くの場合、あくまで認知媒体で、実際の効果は期待していない。
結果としてもディスプレイ広告から直接的な資料請求や来場予約が発生するケースは稀であり、「意味があるかわからないけど認知を広げたいし、とりあえずやってみよう」という位置づけなのがディスプレイ広告だろう。

意味や効果はあるのか?

不動産広告は最終的な目標が広告を終了する(物件が完売する)ことにある為、なるべく期間を短くし、予算を圧縮していきたい為、「同時期の同条件による比較」がなかなかなされにくい。
それによってディスプレイ広告の効果を検証するのも難しくなっている。(というよりわざわざ検証する必要もない)
その為、複数案件を管理する中で、同時期に案件比較をすることでディスプレイ広告の効果を検証してみた。
(上記A〜C)

ここに記載しているもの以外でも、いくつか来場単価が改善しているものが見られた。
もともと来場単価が良いものに関して、「さらに向上させる」というところまでは至らなかったが、リスティング・リターゲティングだけでは広告効果があまり良くなかった案件や、徐々にweb広告の効果が下がってきている案件においては、ディスプレイ広告の効果が見られた。
とはいえ、ディスプレイ広告からの直接的な資料請求や来場予約は発生せず、リスティング広告からの来場単価が発生したことから、リスティング広告がマンネリ化してきた案件において、「再度プッシュする」という意味での効果が発揮されたと言える。

ディスプレイ広告を実施するべき物件とは?

不動産広告においては、獲得系の広告となるリスティング広告が最も効果的と言われており、実際にどの物件においても、最も費用対効果が高くなるweb広告がリスティング広告だ。
しかし、リスティングはあくまでプル型の広告であり、「不動産をweb検索で探している」という動向が無い限りはその効果自体が発揮されない。
特にエリアによっては「住宅探しは住宅展示場か不動産屋、もしくは看板を見て直接来場予約」というユーザーも多く、「マンション」というキーワードでの検索数は、20~40代の人口に対して5~15%ほど、「戸建・土地」というキーワードでの検索数は、同じく20~40代の人口に対して3~7%ほどとなっている。
人口に対する比率が低いエリアにおいては、当然リスティング広告も同一ユーザーに配信される可能性が高くなり、結果、効果が徐々に下がっていくということが発生している。

ディスプレイ広告の結果動向からも、そうした「人口に対する住宅系キーワードの検索率が低いエリア」や、そもそも「リスティング広告の効果が下がってきた案件」においては、ディスプレイ広告は一定の効果が出せると言えるだろう。
ディスプレイ広告について「掲出されるサイトが微妙で、そのサイトを閲覧する人がいるのかどうか・・・」という意見が出ることが度々あるが、現在、Googleでは「検索面の下のニュース欄」「YouTubeの検索欄」「Gmail」にバナー広告を配信するメニューができている為、そうした心配も払しょくされるだろう。
広告は配信だけでなく、クリエイティブも効果に繋がる一因となる為、クリエイティブとの因果関係も、引き続き検証していきたい。

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中川陽平

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