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ユニフィットの社員が、担当プロジェクトの広告実績を紹介したり、日々感じていることなどを書き綴っています。またマーケッターが市場の動向を切り裂くフリーペーパー『MAiL』や世の中の(生活者の)トレンドやニーズ、価値観を把握し、広告制作へ反映するために行っている定量調査の分析も公開しています。

2022-11-25 MAiL 不動産

不動産サイトにおける直帰率。指標と改善に必要なものとは…。

不動産のホームページを運用していく上で1つ改善の指標にしなくてはいけないのが、直帰率だ。
これが低いとせっかく制作したサイトも見られていないことになる。
では一体どのくらいをラインとして良し悪しを判断し、どう改善していくべきなのか。

そもそも直帰率とは? どれくらいが最適?

そもそも直帰率とは何をさすのか。直帰率とはホームページに流入してくれた人の中でもトップページ(ランディングページ)を閲覧し、それ以外のページに回遊することなく、サイトを離脱してしまう人の割合だ。すなわちこれが高いということはせっかく制作したホームページもトップページ以外見られていないということになる。伝えたい魅力が他にもあるにも関わらず、見られないで検討を諦めてしまう形になるのは非常に勿体なさを感じる上に、不動産の場合は間取りページを確認してから物件を検討するか否か決めるのが一般的のため直帰率を改善していくことは大きな役割を持つ。ではこの直帰率はだいたいどれくらいをラインに良し悪しを判断すべきなのか。当然エリアなどによって変わってくるが、首都圏のマンションだと以下が数値として多く見られる。

・ディスプレイ広告実施時:60~65%
⇒ディスプレイ広告実施時は誤タップによる流入があるため比較的高め

・ディスプレイ広告未実施時:50~60%

ではこのラインを上回ってしまう場合はどのように改善すべきなのか。当然、トップページでしっかり興味喚起ができていない場合もあるが、一旦その場合を除いて、弊社にてホームページ分析を担当している物件を見比べていきたい。

事例から見る直帰率の違い①

まずはディスプレイ広告を実施している2つの事例を見ていきたい。
それぞれトップページのデザインと直帰率は以下のような形になっている【図01】

両物件とも、回遊ページに遷移できるメニューボタンは右上。その他、資料請求や来場予約ボタンは画面下側についている。そんな中で、物件AとBは直帰率が10pt違ってしまっている。ではその違いは何か。

大きく2点ある。1つ目はトップページ内に別ページへ遷移できるリンクボタンがあるか否か。2つ目は右上のメニューに「MENU」という記載があるか否かだ。ここからわかることは、物件Bは間取りやロケーションについてどこをタップすれば見ることができるのか気付かれていない可能性があるということだ。よくアプリやサイトで使われるハンバーガーメニューと呼ばれる図の右上のメニューはアプリやウェブサイトを頻繁に見る層にはメニューボタンと認知があるものの、まだ慣れていない、特にシニア層などはこれがメニューボタンだと気付いていない可能性が考えられる。その他としてはこのハンバーガーメニューの意味を知っていても物件Bについては「MENU」の記載もないため、スクロールしているページに目が行ってしまい、そもそもここにメニューボタンがあることを気付かれていない、或いはあまり目立っていないが故にここをタップしたところで欲しい情報のあるページに飛ぶほどの項目は出てこないのではないかと判断されスルーされている可能性もある。

事例から見る直帰率の違い②

続いてはディスプレイ広告を実施していない2つの事例だ。
それぞれトップページのデザインと直帰率は以下のような形になっている。【図02】

こちらの2物件も直帰率が10pt違っている。そしてその違いはメニューボタンが右上にあるか右下にあるか否かだ。当然右下にある方が、右利きのユーザーにとってはスマホを操作する親指が一番タップしやすい位置にくることになるため、他ページを見てもらいやすいのだと理解できる。当然、トップページさえ見れば、資料請求や来場予約をしてもらえるくらいの魅力があり、それを伝えることができるトップページのデザインになっていれば、右下に資料請求や来場予約ボタンを設置するのも手としては考えられるが、そうではなく他ページで細かい魅力も見て欲しい場合は物件Dの設計の方が直帰率を下げられる可能性がある。

今からでもできる改修案

事例からわかることとして、今からでもできる改修案として以下のようなことがあげられる。

・メニューボタンの下には「MENU」と記載を入れる。
・他ページに遷移させるリンクボタンをトップページ内に設置する。
・メニューボタンを右下に設置する。

以上のようにボタンにテキスト案内をつけるか否か、或いはどこに遷移先のボタンを設置するか否かで直帰率が変わってくる可能性は考えられる。当然これ以外にも、そもそもトップページ自体の広告表現に問題があればまた話は変わってくるものの、細かいテコ入れをするだけでも改善できる余地があるとすればすぐにでも改修するべきだろう。

その他直帰率を変動させる要因

ここまでホームページの設計による直帰率の違いを記述してきたが、当然それ以外にも直帰率を左右する要因はある。例えば不動産業界で言えば、同じ商圏に競合があるか否かだ。そのエリアにて一人旅状態での参入の場合、ユーザーも検討できる物件が限られるため、「とりあえず見てみよう」と資料請求や来場予約に進んでくれ、直帰率が低い物件も見られる。それ以外にも不動産のサイトに限らず共通しているのがサイトのロード時間だ。検索や広告からサイトに流入してくれてもロード時間が長いとトップページすら見られずにローディング中に離脱してしまう(ただし流入した扱いにはなるため直帰率は上昇する)ケースもある。これは諸説あるがローディングが2秒遅いだけで直帰率は1.5倍になるといった分析結果も見られている。このようにサイト設計以外の部分で直帰率を変動させる要因があることも忘れてはならない。もし、これからホームページの直帰率を確認する方がいれば、広告の状況からボーダーラインを設定し、悪い場合は今回あげたような直帰率が高くなってしまっている例にあてはまらないか確認してみるとホームページの改修案に繋がるかもしれない。

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マーケッター

大山恭平

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