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ユニフィットの社員が、担当プロジェクトの広告実績を紹介したり、日々感じていることなどを書き綴っています。またマーケッターが市場の動向を切り裂くフリーペーパー『MAiL』や世の中の(生活者の)トレンドやニーズ、価値観を把握し、広告制作へ反映するために行っている定量調査の分析も公開しています。

2023-05-25 MAiL 不動産

リスティング広告の獲得を競合有無で比較。実際どれくらい違う?

競合の存在は脅威になる?

新築分譲マンションを販売する事業主にとっては競合の存在は売れ行きを左右する大きな指標の1つになる。競合物件があることにより回遊客が増し、進捗ペースが早まる場合もあれば、逆に食われてしまって進捗ペースが鈍化する場合もある。しかしそんな中でもリスティング広告に限っては競合がない方が獲得効率は良好だ。理由として、リスティング広告は競合が多ければ広告表示させるためのキーワードが被ってしまい、それ故に広告表示できる機会や上位表示される機会が減少するからだ。検索型のリスティング広告は上位に表示させるための枠は限られているため、競合の存在はリスティング広告において脅威になる。
特に商圏に自社物件以外に3物件以上の競合があると注意が必要だ。というのも現在検索の主流となっているGoogle検索においては上位に表示されるのは概ね3件程度。そのため、3件以上の競合がある場合、広告枠が競合に取られてしまい、自社物件の広告が上位に表示されず、資料請求や来場予約の機会損失に繋がる可能性が高い。

競合有無でどれだけ変わる?

では競合があるか否かでどの程度の差が生まれるのだろうか。実際の運用データをもとに紐解いていきたい。ただ、案件によってかけている予算も違うため今回は獲得単価を指標にして見ることで獲得効率を比較していくと下のような結果が見られた。

実際に比較をしていくと競合が商圏に多かった物件は獲得単価=約¥40,000~65,000。一方で競合が商圏になし、或いは少なかった案件はいずれも約¥20,000と実に倍以上の広告予算がかかってしまっているのが見てとれる。すなわち、同じ予算をかけても競合があるか否かで獲得に倍以上の差が出てしまう場合がリスティング広告ではあるということだ。ただ、当然ながら競合があるか否かは販売する事業主側でコントロールできるものではない。すなわち、それぞれの状況に合わせてリスティング広告の運用方法も変えていなくてはいけない。

競合がない場合の方策は?

ではまず競合がなく、実施してみて獲得効率も良好だと判断できる場合はどのような方策をとるべきなのだろうか。これはリスティング広告の予算を縮小してみるのが1つ手だと考えられる。当然これには予算を減額するためクリック数・獲得数が減少してしまうリスクがあるものの、競合がないのであれば、予算を減額しても上位表示されやすいため、獲得単価が圧縮できる可能性がある。実際に上記の競合がなかった案件の中でも予算を減額して単価の圧縮に成功した事例も見られた。

競合がある場合の方策は?

一方で競合が多く、実施してみると想定通り獲得効率が悪いと判断される場合はどのような方策をとるべきなのだろうか。これには大きく2の施策が考えられる。1つ目は単純に予算を増額することだ。競合が多い場合、既述した通り上位表示される機会も減少してしまう。この上位表示されるか否かは予算額と広告の品質で決まってくるため、予算を増額して上位表示させる機会を増やしていけば、獲得数アップにつながる可能性は大いにある。しかし当然ながらリスクもある。それは純粋に上位表示させても資料請求や来場予約に繋がりやすい顕在層が競合の存在もあって少なければ上位表示しているのに獲得に繋がらないといったケースも考えられる。そんな場合は2つ目の施策として顧客を育てていく施策が有効だ。投函チラシやディスプレイ広告・動画系の広告などで潜在層にアプローチを図ることで顕在層に育てていき、リスティング広告と掛け合わせていくことで獲得数アップを図っていくのが有効だ。

競合以外の変数も忘れずに!

以上のように競合状況によりリスティング広告の方策は分かれてくるものの、当然ながら競合以外の変数も忘れてはいけない。例えば昨今の不動産価格の高騰に伴い、エリアに購入できるターゲット母数が少なければ競合がなくても獲得単価の高騰は考えられる。それ以外にも商圏の借家比率・都心なのか地方なのか、駅力の優れたエリアなのか、駅に近いか否かなど様々な変数が関わってくる。これらの変数の1つとして競合も大きな要因をもつことを念頭において獲得効率を高めていきたい。

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マーケッター

大山恭平

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