ARTICLE記事一覧

ユニフィットの社員が、担当プロジェクトの広告実績を紹介したり、日々感じていることなどを書き綴っています。またマーケッターが市場の動向を切り裂くフリーペーパー『MAiL』や世の中の(生活者の)トレンドやニーズ、価値観を把握し、広告制作へ反映するために行っている定量調査の分析も公開しています。

2022-12-26 MAiL 不動産

Web広告×チラシという新手法

従来のweb広告

不動産業界における従来のweb広告は「リスティング(検索型広告)」「ディスプレイ広告(ターゲティング広告)」「リターゲティング広告」「SNS広告」で構成されており、そのほとんどの着地ページが、広告を実施している物件の公式HPで設定されている。
そして、そのHPから来場予約や資料請求を獲得するのが一般的だろう。【図01】
特にリスティング広告の効果が最も高く、物件が供給される周辺エリアで住宅購入を検討している世帯が、検索をかけた際にヒットさせてHPに流入、反響を得る流れが最も効率が良いとされている。

広告の効果とHPの効果

Web広告は必ずサイトに着地させるが、実際に不動産業界の場合、ほとんどの資料請求者・来場予約者は、トップページに着地すると現地案内図を見て、間取りを見て、資料請求か来場予約をするという経路をたどり、その他のページは見られていない。
検討者が求めているのは「場所」「間取り」であり、不動産の物件公式HPは情報過多ともいえる。
リスティング広告の効果が高いのも、そういったユーザー経路が要因にもなっており、ディスプレイ広告で突如流入したユーザーが資料請求や来場予約に至ることはほとんどない。
「認知を獲得したいがディスプレイ広告は効果が出にくい」となるのは、こういった部分が原因と考えられる。

Webチラシの考え方

そもそもリスティング広告は、基本的にはプル型広告で、検索が発生していないと獲得ができない。
その為、「物件が出たことを広くアピールしていく」がスタートとなる案件に関しては、すぐに結果が出ない場合がある。
そういった場合に重宝されるのが「ディスプレイ広告」であり「チラシ」ともなる。
検索が発生しない場合はこうしたプッシュ型の広告が非常に重要となるが、現状、不動産業界ではディスプレイ広告とHPの相性が悪い為、なかなか効果が出ず、チラシを選択するケースが圧倒的に多い。
しかし、チラシ配布には大きな費用が掛かり、実は本来的な費用対効果(どれくらいの費用をかけたらどれくらい認知が広がってどれくらい反響に繋がったか)も計測がしづらい側面がある。
そこで、ご提案したいのが「webチラシ」という考え方だ。
内容は下記となる。

不動産におけるチラシの役割は非常に重要で、閲覧してすぐに反応する人が多い。
それも情報整理が完成されているからだと考えられる。
Web広告は公式HPに遷移させているが、実際に検討者が求めている情報はすべてチラシに内包されていると想定すると、閲覧させるページも限りなくチラシに近い方が良いという考え方だ。【図02】
また、この配信・計測手法には、「チラシ配布エリアのテストマーケティング」も兼ねており、配信後のエリア別の効果を測定することで、「チラシをどこに配布すれば効果が見込めるか」のテストも可能となっている。

Webチラシの効果

通常のディスプレイ広告では、資料請求や来場予約だけでなく、用意されたフリーダイヤルへの架電もほぼ発生しないが、「webチラシ」として実施したディスプレイ広告からは下記の結果が得られた。

ディスプレイ広告のクリック単価が80円とすると、20万円の配信費用で次のような効果や結果が得られる計算となる。

特に電話問い合わせの率が大きく向上している。
また、来場予約に関しても、通常ではほぼ発生しないことを考えると、大きな効果があったと言える。
もちろん、マンションや戸建の販売時に綺麗に格好良くHPを制作することも非常に重要で、そのブランディングが間接的に物件の販売に寄与していることは間違いない。
しかし、「認知」と「獲得」は、より適切な組み合わせで流入経路を作ることで、大きな効果が生まれることもわかる結果となった。一方で、Webチラシの効果継続時間を見てみるとそこまで長くは無い。
チラシと同様に長く検討されるものでもなく、情報を更新していかないと飽きられてしまう。
実施をしてみると、開始から2週間程度までが動き、その後は効果が下がる(まさにチラシと近い動き)ことも確認できている。
しかしこれは一般的なLPO(ランディングページの最適化)であり、web広告としても正しい動きと言えるため、「情報更新」により効果を継続させていくことも可能だろう。
まだまだ不動産業界の実績としても多くは無い為、こうした最適化も含めながら、より効果的な施策としていく為の検証を続けていきたい。

MAiL1月号 PDFはこちら

CATEGORY

TAG

関連記事

一覧に戻る

このサイトでは、アクセス状況の把握や広告配信などのために、Cookie(クッキー)を使用しています。このバナーを閉じるか、閲覧を継続することでCookieの使用に同意するものとします。
詳細はコチラ詳細はコチラ

OK